セメント瓦について
セメント瓦とはセメントと川砂を重量比で1:2~1:3で混ぜたモルタルを型に入れて成形し、塗装したものです。
陶器瓦と比べて均一性に優れ、座りが良く一定した並びになります。
瓦の中では軽量なので、災害等には強いのですが、紫外線・風雨・温度変化等で塗膜の劣化が進行すると素材のセメントの劣化も早くなります。
塗膜が劣化することで、セメント瓦の吸水がすすみ、セメントの成分であるカルシウムが流出してしま為、表面がザラザラと骨材が現れ、少しの衝撃で割れるようになります。1度脆くなってしまった素材は塗装で強くなるわけではないので、そうなる前に定期的なメンテナンスをお勧めします。
セメント瓦で起きる劣化の症状
瓦は特に紫外線・雨風にさらされている箇所となりますので、外壁に比べ劣化は早くなります。
劣化の初期症状として、塗膜の艶がなくなり色あせがおこります。
塗膜の剥離は塗替えを行った瓦によく見られる症状となりますが、塗り替えの際に洗浄不十分、または乾燥不十分による塗膜の密着不良が原因でおこる、塗膜の浮き・剥離が考えられます。
2.塗膜の消失・下地のざらつき
瓦表面の塗膜が劣化した状態で長期間放置しますと、風雨によって塗膜が流れ落ちてしまい、瓦自体の素材「セメント」が表面に表れてくるようになります。
素材がむき出しとなった瓦はセメントの成分であるカルシウムが流出してしまう為に、骨材が表れ、瓦表面にざらつきなどが生じてきます。
下地処理について
下地処理の内容によって、仕上りの程度良し悪しや塗膜剥離などのリスクを軽減することが出来ますので、この工程は特に入念に行う必要があります。
高圧洗浄
15~20MPa程度の洗浄圧力で劣化した塗膜・汚れ等を除去し、塗装を行える状態にします。
瓦表面の汚れが綺麗に除去できていない状態で塗装を行うと、その後の塗膜剥離が生じるリスクが高くなりますので、可能な限り綺麗に洗い流しておく必要があります。また高圧洗浄だげでは落としきれない汚れなどは、ワイヤーブラシ等を併用して行うとより安心です。 ※セメント瓦は洗浄時に屋根からの水漏れが起きやすい瓦になりますので、洗浄する際には特に注意が必要な瓦になります。 |
塗膜剥離
旧塗膜の浮き・剥れは高圧洗浄だけでは除去出来ない場合が多いため、事前にケレンを行い脆弱な塗膜の除去を行います。塗膜剥離が起きている、または対して 塗膜が密着していない状態の瓦に再塗装を施しても、すぐに浮き・剥れの原因になりますので、後の塗膜剥離を防ぐためにはとても重要な作業になります。 |
塗膜の消失・下地のざらつき
表面にざらつきが生じている瓦の場合、通常の下塗材(シーラー)では良い仕上がりになりにくい為、下地調整材(フィラー)を使用して表面の状態を整えた後に塗装を行うと綺麗に仕上がります。下地調整材は回数を重ねるにつれ下地の凹凸が埋まっていきます。
下地調整材は下地の凹凸が埋める必要がありますので、ある程度の厚みをつけて塗布を行う必要があります。また塗装方法は刷毛塗り・吹付の2通りありますが、吹付の場合は近隣への飛散の問題がありますので、風の無い日を選んで作業を行うように心がけます。 |
具体的な施工例の紹介
日々更新を行っている工事日誌のモルタルの施工事例です。
日報形式になっておりまして、毎日の作業内容を詳しく書いておりますので参考になるかと思います。
福岡市西区 T様邸 サイディングボード・セメント瓦 塗装工事
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福岡市東区 T様邸 モルタル壁・セメント瓦 塗装工事
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セメント瓦に適した塗装仕様について
下地の状態によってプライマー(シーラー)と下地調整材(フィラー)の使い分けを行い、上塗はアクリルシリコン樹脂という組み合わせが一般的な仕様となっています。
屋根は外壁に比べ塗膜に負荷がかかりやすく劣化が早いため、なるべく高グレードの塗料を使用することが好ましいです。
下塗材(塗料メーカーは水谷ペイント) | 上塗材(塗料メーカーはエスケー化研) | 目的 |
RMプライマー (下地調整剤がを使用する場合は水系ルーファーEX) |
水系カスタムシリコン | 低価格 |
水系ナノシリコン | 標準 | |
水系シリコン | 耐久型 | |
パワーシリコンマイルドⅡ | 耐久型 弱溶剤2液形 | |
パワーフロンマイルド | 高耐久 |