塗装工程について
塗装工程について
塗装の工程は大きく分けまして、
- 下地処理
- 下塗
- 中塗(上塗1回目)
- 上塗(上塗2回目)
の4工程が一般的となっています。
1の下地処理の工程は、塗装を行うことが出来るようにするための工程となりまして、サビ落としや表面の目荒らし、油類の除去等になります。
2の下塗の工程は、上塗材の密着を良くするための工程となり、3・4の中上塗の工程で仕上げを行います。
基本的に塗装回数は3回塗というのが最も多く、素材によっては2回塗で仕上げたり、下地の状況に応じて4~5回塗というものまでありますが、基本的には3回塗となります。
この工程をきちんと行うことが、綺麗に仕上げるため、塗装の性能を発揮するためには重要となります。
下地処理に使用する道具
下地処理に使用する道具の紹介です。
【必要な道具】
この程度は下地処理を行う際に、まず最低限揃えておくと良い道具になります。
続いて、塗装を行う素材に応じてあると便利な道具と、電動工具の紹介です。
【あると便利な道具】
【電動工具】
以上が塗装を行う際に使用する主な道具・電動工具となります。
電動工具はDIYでは使用頻度が少ないと思いますので、あえて準備をする必要はありませんが、「必要な道具」はホームセンターで揃えたとしても、1,000円もあれば十分に揃いますので、始めに準備しておくと良いでしょう。
下地処理とは
下地処理というのは、劣化している表面の処理や塗料の密着を良くするために行う工程になります。
- 表面に油類などの成分がある場合は塗料の密着が悪くなりますので、溶剤で拭きとって油分を取り除く作業
- 塗料が剥がれにくくするために、表面に細かな傷を付けるの目荒らし、錆などが発生している場合は錆の除去
- 劣化している塗膜がある場合は、その塗膜の除去
- コケや汚れ、埃などの除去
その他にも色々とありますが、上記の作業が一般的な下地処理となります。
油分が表面にある場合、塗った塗料が弾いたり、また弾きが出ないとしても塗料の密着が非常に悪くなりますので、まず始めに油分の除去を行う必要があります。
この油分というものは、見た目にわかる油だけではなく、ワックスや潤滑剤なども含まれておりますので、そのような成分がこれから塗装を行う表面にある場合は、必ず除去しておきましょう。
油分を取り除く作業
この油類を除去する事を「脱脂」といいまして、溶剤(シンナーやアセトン)などで油類を拭き取り、綺麗に除去しておきます。
表面に細かな傷を付けるための目荒らし、錆などが発生している場合は錆の除去
塗料を剥がれにくくするための目荒らしというものは、サンドペーパーなどで表面を研磨し、細かな小傷を付ける作業になります。
この作業は「ケレン」と呼ばれまして、ケレンの程度によって1種~4種まで細かく分類されています。
ワイヤーブラシなどを用いも、同様の効果が得られます。
錆などが発生している場合は錆の除去等。
このように錆が発生している場合などは、錆を完全に取り除くことは困難になりますので、残存している錆の処置を行なっておくと良いでしょう。
この錆の処置は錆を安定した物質に変化させる錆転換剤や安定剤、素地調整剤などを塗布して、錆の処理を行うことが一般的となっています。
今回使用している素地調整剤は、
大日本塗料 「サビシャット」という製品で錆の処理を行なっております。
この素地調整材を塗布することにより、以下のような効果を見込むことができます。
(大日本塗料 ホームページより)
より詳しい説明はこちら 物理的素地調整法に代わる塗布形素地調整軽減剤「サビシャット」について
錆が発生しているような場合は、今回のように残存する錆の処理を行なっておくと良いです。
劣化している塗膜の除去
塗膜が劣化して剥がれているような場合は、
塗膜の除去を行う必要があります。
塗膜の除去方法はサンドペーパーで手動で行う方法の他、薬品を用いて行う方法や、
電動工具で行う方法などありますので、
劣化の状態に応じて、色々な道具を使い分けると良いと思います。
コケや汚れ、埃などの除去
コケや汚れ、埃などの清掃は、高圧洗浄機で洗浄するのが最も効率よく行えます。
家庭用の洗浄機でも少々時間は掛かりますが可能ですし、タワシやブラシなどでも洗う事は可能です。
下塗について
鉄部・木部・モルタル・サイディング・スレート・コンクリートなど下塗材は違いますので、それぞれに適した塗料を使用する必要があります。
すべての下塗をここで紹介するのは少々大変になりますので、今回は鉄部の下塗材のみを紹介したいと思います。
関西ペイント 「スーパーザウルス」
主剤と硬化剤を混ぜあわせて使用する2液形の下塗材になります。
混ぜ合わせる比率が決まっておりますので、使用する際には秤が必要となりますし、一旦混ぜあわせた塗料は数時間しか使用できないため、作業性はあまり良くはありませんが、錆を抑える効果や、下地に対する密着力などは優れた性能を持ち合わせた塗料となります。
日本ペイント「1液ハイポンデクロ」
性能は2液形と比べますと少々劣りますが、1液形のため使用できる時間の制約や混ぜ合わせる手間などがありませんので、作業性は良い下塗材となります。
今回は2種類の下塗材のみの紹介となっておりますが、どの塗料も使用する際に決められた時間や希釈率などの塗装要領がありますので、事前に確認をしておくと良いと思います。(カタログ、または、ホームページ上に記載されています)
今回紹介の下塗材「スーパーザウルス」ではこのような塗装要領となっています。
「新設」
「塗替」
このようにそのぞれの塗料には決められた事項がありますので、その要領を守って塗装を行う事が重要となりますので、事前に確認しておくと良いと思います。
また、下塗材は錆の発生を抑える効果があると共に、上塗材の密着を良くするという効果がありますので、必ず行なっておいたほうが良い工程となります。
上塗について
上塗材も下塗同様に様々な種類がありますので、塗装を行うものに適した上塗材を使用する必要があります。
前回同様に、今回も鉄部の上塗材を例にあげて説明をしてみたいと思います。
関西ペイント「セラMシリコン2」
主剤と硬化剤を混ぜあわせて使用する2液形の上塗材になります。
下塗同様、混ぜ合わせる手間や使用可能時間の制限などはありますが、1液形の上塗材と比べた場合、性能は良い塗料となります。
日本ペイント「1液ファインウレタン」
混ぜ合わせる手間や使用可能時間の制限などはありませんので、非常に作業性は良い上塗材ではありますが、性能は2液形に比べますと少々劣ります。
これらの塗料も下塗材同様にそれぞれ塗装要領が決まっておりますので、その要領に沿った施工を行う必要があります。
また、上塗に使用する塗料のグレードによって、アクリル6年程度・ポリウレタン8~10年程度・アクリルシリコン12年~15年程度というように、耐候性が変わりますので、塗装箇所や使用用途によって、目的に沿ったグレードの塗料を使用すると良いと思います。