外壁塗装 佐賀市三瀬Y様邸『工事日誌 簡易版』

塗装工事 概要

この度工事を行いましたY様邸は別荘になりますので、建物自体はさほど大きくなく、
佐賀市三瀬 Y様邸予定では10日間もあれば十分、最悪でも年末までには終わるだろうと思っておりましたが、まさかの雨続きという天候不良に加え、九州では珍しく12月に積雪という自体から、年内はY様邸に向かうことも出来ずに年末までの工事完了を断念。(↓ 12月25日の様子です)
12/24の雪年が明けての工事再開後はある程度順調に進めることが出来きましたので、しばらくして塗装工事は完了となりましたが、架設をY様が少々使用する予定となっており、その後、解体しようかと思っていたところに、福岡と佐賀の県境、三瀬はまたしても大雪に・・・(この記事を書いているのが1月21日、そして1月22日が解体予定日)
1/21 雪1/21 雪おまけにこの日はこちらの方々のお世話になってみたり、
JAFはたまた車が追突してきてみたりと中々色々とありまして、
JAF着工後2ヶ月弱経った今日も、未だに架設が解体できない状態となっております。(^_^;)

何となく本日の気分的にはこんな感じ ↓ ではありますが、(林氏の力作です)
P1213015 事故処理の間にJAFさんの作品も見れたことですので、
P1213016とりあえず、気を取り直して工事の様子、スタートです。

塗装工事 詳細

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下地補修 Uカットシール材充填工法 他

架設を組み立てた後に、
架設建物全体の現状の確認を行います。

マーキング

クラックや下地処理が必要な箇所の印付け(マーキング)。
マーキング黄色はクラック。
クラッククラッククラッククラッククラック青は蔦が張っている箇所。
下地処理下地処理下地処理このような感じで補修が必要な箇所の確認を行っているのですが、やはり架設を建てて近くで確認してみると、当初の見立ての予定数量よりもかなり多くなってしまいますね。

クラックは予定では30m程度のつもりでしたが、実際に測ってみると何と60m以上。
予定の倍ですね・・・

築7年で何故?と少々悩んでしまいますが、数量的なこともありますので優先的にクラック処理を行う箇所の印付けを改めて行います。

クラック(黄色)に青の印が付いたものがUカットシール材充填工法という補修方法で修繕を行うものとしまして、
Uカットシール材充填工法Uカットシール材充填工法青の印が無いものはシール工法で補修の予定としておりましたが、
Uカットシール材充填工法「不安は極力無くしたいので最終的には当方の判断に任せます。」というY様のお話もありましたので、改めて補修方法の振り分けを行った結果、60m(予定数量の倍、確認できるクラックの80%以上)Uカットシール材充填工法で補修を行う事に変更しております。

クラック補修 Uカットシール材充填工法 他

Uカットシール材充填工法とは外壁に入っているクラックに沿って外壁をカットし、
Uカットシール材充填工法そのU型の溝内にシーリング材を充填した後に、
Uカットシール材充填工法Uカットシール材充填工法再度、外壁表面の復旧を行う補修方法となります。
Uカットシール材充填工法通常良く行われるシーリング材での補修は、あくまで「表面」だけの補修を行っているに過ぎず、再発するクラックに対応することが出来ないことが多いのですが、 このUカットシール材充填工法での補修は、外壁内部にシーリング材が入っているため、同じ箇所にクラックが再発したとしても、内部のシーリング材で水の侵入を防ぐことが出来るという利点がありますので、漏水リスクを考えるならば、クラックはこの工法で補修を行っておくことが安心です。

ただ、全てのクラックをこの方法で補修を行う必要もなく、比較的巾が小さなクラック(基準は施工店によってそれぞれですが0.3mmや0.5mm以下のクラック)に関しましては、
補修表面発生した理由が大きなクラックの場合とは違う場合が多く、再発の恐れがないと思われますので、通常行われるシーリング材でのシール工法、もしくはフィラーなどのすり込みという表面処理で大丈夫ということが多いです。
フィラーすり込み
それにしても、今回はクラックが沢山ありましたね。(^_^;)
クラッククラッククラッククラッククラッククラッククラック
写真に写っているクラックだけでも相当数あるようです。

パターン調整(肌合わせ)

Uカットシール材充填工法で補修を行ったクラックは、表面が平らな状態となっており
補修表面このままの状態で塗装を仕上げてしまうと、補修箇所が非常に目立ってしまい、少々みっともない仕上がりになってしまいますので、表面の状態を周囲の模様に ↓
パターン調整合わせる作業を行います。

この作業は肌合わせやパターン調整と呼ばれることが多く、既存の外壁仕上材と同じ材料で補修を行います。

今回はエスケー化研のべルアートという材料で補修を行いました。
エスケー化研 ベルアートまず下塗のシーラーを補修箇所に塗布後、
パターン調整周囲に合わせた模様付けを行います。
パターン調整パターン調整後はこのような感じ。
パターン調整これで何もせずに仕上げを行うよりは、補修箇所が目立たなくなるでしょう。
パターン調整パターン調整パターン調整パターン調整パターン調整パターン調整パターン調整パターン調整パターン調整クラックが多かったので、それに伴いパターン調整を行っている箇所も中々ありますね。

ただ、この段階まで終われば後は案外早く、シリコーンシーリング材処理→下塗→上塗1回目→上塗2回目という流れで外壁塗装は完了となります。

シリコーンシーリング処理

シリコーンシーリング材は塗装が出来ない(密着しない)ため、塗装屋からすると非常に厄介な存在でして、その上外壁に使用されている頻度もかなり多く、少々困りもののシーリング材なのですが、
シリコーンシーリング材とりあえず、塗装が出来るようになるプライマー(塗装が可能になるという程度でさほど密着性は期待できないかも・・・)がありますので、
信越シリコーン ペインター20念のため、そのプライマーの塗布を行っておきます。
シリコーンシーリング材

外壁塗装

下地補修 → シリコーンシーリング処理 まで終わると、次はやっと外壁の塗装となります。

使用材料はエスケー化研の水性ミラクシーラーエコとなりますので、
エスケー化研 水性ミラクシーラーエコこちらで下塗の塗布。
下塗
下塗下塗次いて上塗1回目。

使用材料は上塗はエスケー化研のアートフレッシュです。
エスケー化研 アートフレッシュメイン色が19-60Fという色。
エスケー化研 アートフレッシュバルコニーのアクセント色が39-30Dという色になります。
エスケー化研 アートフレッシュ

上塗1回目塗布。
上塗再度、上塗2回目と塗布し、
上塗上塗最後に養生を撤去したら
養生撤去外壁塗装は完了となります。
養生撤去

付帯塗装

その他の付帯部(雨樋・破風板・鼻隠・軒天)の塗装に関しましては通常の通り、

・雨樋 / ケレン(目荒し)後、上塗2回塗り
・破風板・鼻隠・軒天・鉄部 / ケレン(目荒らし後)、下塗1回塗り(軒天に関しましては2回)、上塗2回塗り

という形で塗装を行っております。

ざっと紹介しますと、
「雨樋」 ケレン目荒し
ケレン 目荒しケレン 目荒し「雨樋 上塗1回目」
雨樋 上塗「雨樋 上塗2回目」
雨樋 上塗「鉄部 ケレン(目荒し)」
ケレン 目荒しケレン 目荒し「鉄部 下塗」
鉄部 下塗「鉄部 上塗1.2回目」※上塗1回目の写真失念(^_^;)
鉄部 上塗「破風板・鼻隠 ケレン(目荒し)」
破風板 ケレン 目荒し「ボード継ぎ目 シーリング処理」
継ぎ目 シーリング「継ぎ目 Vカット」
継ぎ目 シーリング継ぎ目 シーリング「プライマー塗布」
継ぎ目 シーリング「シーリング材充填」
継ぎ目 シーリング「破風板・鼻隠 下塗」
破風板 下塗破風板 下塗「破風板・鼻隠 上塗1.2回目」※すみません今度は上塗2回目の写真失念してしまっております。(^_^;)
破風板 上塗本当にざっと紹介してしまいましたが、お伝えする事項が1点だけ・・・

先日(1月21日)お話をしましたが、どうやら破風板と鼻隠に限っては、図面に記載の防火サイディングではなく、ケイカル板となっておりまして、
破風板 経験上、結構珍しいパターンかな・・・と思います。
あと、先日見せて頂いた図面上ではOP(油性調合ペイントでいわゆるペンキ)仕上となっておりましたが、ケイカル板にOP(SOP)仕上げは正直微妙な組み合わせと思いますので、建築会社と相談の上、交換が可能なら防火サイディングに替えて頂いたほうが良いかもしれません。
仮に交換が出来たとした場合、仕上げは継ぎ目はシーリング処理、釘頭はパテ処理(ポリパテかエポパテを使用)下塗に弱溶剤2液形エポキシ樹脂プライマーを塗布した後に、一昼夜乾燥を待って、弱溶剤2液形アクリルシリコン樹脂で上塗2回塗り(塗り重ね時間は規定順守)がオススメです。

バルコニー防水

最後にバルコニーの防水について・・・

FRP防水と聞いておりましたが、現状はウレタン塗膜防水となっているようで、防水表面も何か微妙な感じ。
ウレタン塗膜防水手摺側に関しましては立上りが300mm程度取られているとの事ですので、恐らく壁内部で立ち上がっていると思われますが、現段階では確認することが出来ないので詳細は不明。
タイル側の立上りはモルタルとなっております。
ウレタン塗膜防水Y様の様が言われますように、防水に関しましては少々不安な感じがしますね・・・
何せ確認することが出来ないので何とも言えないのですが、手摺側の防水としては水切りで水の流れを切っているような収まりで、壁面との取り合いも床面入隅ではなく少々立ち上がっていた方が良いように思います。

※とりあえずRCの収まり図しか見つけることが出来なかったので、少々わかりづらいかと思います。(^_^;)
防水収まり図サッシの下部と床面のレベルが0の状態(同じ高さ)という床の収まりもあまり好ましい状態では無いように思いますので、はたしてタイルの下の防水層の立ち上げ状態ががどうなっているのかも非常に気になるところです。
防水収まり図あと輸入サッシは施工の仕方(収まり)次第で、雨漏れが起きやすいとも言われていますが、今後はその点も一緒に考えておいたほうが良いのかもしれませんね。

輸入サッシ 雨漏り ← Google検索

「参考」 こちらは ↓ FRP防水の一般的な収まりとなります。
FRP防水

FRP防水

少々話が逸れておりますので、本題に戻って今回の施工に関して・・・
本来は床のタイルを潰してバルコニー面全体を防水したいところでしたが、今回の施工部位は溝・及びタイル側立上りのみ、FRP防水で再施工となっております。
現状はウレタン塗膜防水でしたので、最初はウレタン防水で施工を使用かとも思いましたが、天候の問題・夜露の問題・乾燥させるための気温の問題・また時間の問題で施工が長引きそう出来たので、1日で終るFRP防水で施工を行うことに決定。

まず、ウレタン塗膜防水の層とFRPの層の縁を切るため合板で下地を作り、
FRP防水湿気を含んだ状態の下地はトーチで乾燥。
FRP防水そして、プライマーの塗布。
FRP防水入隅に関してはパテ処理を行い、溝全体のFRP防水を行います。
FRP防水FRP防水その後、トップコートの塗布を行い、最後に取り合いのシーリングを行いまして、バルコニーの溝防水は完了となります。

雑作業

塗装後気になる隙間などのシーリングなどを少々。
シーリングシーリングこの部分は完全に見落としていましたので、
シーリングシーリング改めてシーリング後に塗装を行っております。
シーリングシーリング

塗装工事 完了

以上でY様邸の工事は完了となります。
完了完了完了完了完了完了完了完了完了

塗替え工事に使用した塗料の紹介

外壁塗装 下塗材

エスケー化研 水性ミラクシーラーエコ(←クリックするとエスケー化研「水性ミラクシーラーエコ」ページに移動します。)
塗料の種類 / 水性1液形
塗料の説明 / カチオン型のシーラー(プライマー)
エスケー化研 水性ミラクシーラーエコ

外壁塗装 上塗材

エスケー化研 アートフレッシュ(←クリックするとエスケー化研「アートフレッシュ」ページに移動します。)
塗料の種類 / 水性1液形
塗料の説明 / ハルス複合セラミックシリコン樹脂 ベース色19-60F アクセント色39-30D
エスケー化研 アートフレッシュ

パターン調整(肌合わせ)補修材

エスケー化研 ベルアート(←クリックするとエスケー化研「ベルアート」ページに移動します。)
塗料の種類 / 水性1液形
塗料の説明 / 高意匠性装飾仕上塗材
エスケー化研 ベルアート

軒天塗装 上塗材

日本ペイント ケンエースG2(←クリックすると日本ペイント「ケンエースG2」ページに移動します。)
塗料の種類 / 弱溶剤1液形
塗料の説明 / アクリル樹脂 艶消し

鉄部塗装 下塗材

大日本塗料 エポオールワイド(←クリックすると大日本塗料「エポオールワイド」PDFに移動します。)
塗料の種類 / 弱溶剤2液形
塗料の説明 / エポキシ樹脂

鉄部塗装 上塗材

関西ペイント セラMシリコン2(←クリックすると関西ペイント「セラMシリコン2」PDFに移動します。)
塗料の種類 / 弱溶剤2液形
塗料の説明 / セラミック変成アクリルシリコン樹脂

最後に

思った以上に長くなってしまいましたが、以上で佐賀市三瀬 Y様邸の工事日誌は終了となります。

この度は弊社に工事のご依頼を頂きまして誠に有難うございました。

有限会社 ナカヤマ彩工
中山 厚
林 睦美
上野 裕一
高橋 裕太