↓ 一般的に塗替え工事を請け負う業者の特徴
↓ 実際の塗装工事の実情
↓ 直接施工する業者に頼むメリット、また、手抜き工事になる原因
↓ 手抜き工事にならない様にするには
↓ 要注意の営業内容
↓ このページのまとめ
一般的に塗替え工事を請け負う業者の特徴
まず、現在塗替え工事には多くの業者が携わっていますが、その業者の違いについてお話したいと思います。
現在、塗替え工事を請け負う業者は大別すれば5つほどになります。
A 新築時のハウスメーカーのメンテナンス部門 (○○○ハウスや×××ホームなど)
B TVCMで良く見かける塗替え業者 (○○○ペイント 等)
C 街中にある地元工務店、又は、リフォーム会社 (リフォーム専門で良く新聞にチラシなどが入っています。)
D 地元塗装工事店 (主に法人経営してある塗装工事会社)
E 個人塗装業者 (1~2人で工事を請け負っておられる職人さん等)
以上の5社が通常の塗替え工事を行っています。
A 新築時のハウスメーカーのメンテナンス部門(○○○ハウスや×××ホームなど)A 新築時のハウスメーカーのメンテナンス部門 の特徴ですが、ほとんどが大手の業者になります。 工事内容の打合せや各仕様の提案や検討等、話をする必要がありますが、基本的に担当窓口はハウスメーカーですので、建物の事については全般的に詳しいのですが、専門的な塗装の内容まではあまり詳しくない事が多いようです。 しかし、何よりも大手という最大の安心感という保証がついてきます。 |
B TVCMで良く見かける塗替え業者(○○○ペイントなど)B TVCMで良く見かける塗替え業者 の特徴は、主にCM等で知名度が上がっている業者になりまして、どの業者も自社で開発された塗料を使って工事を行っていることになります。 こちらもハウスメーカー同様、担当窓口は塗装というものにあまり精通している場合は少ないようです。 |
C 街中にある地元工務店、又は、リフォーム会社(リフォーム専門で良く新聞にチラシなどが入っています)C 街中にある地元工務店、又は、リフォーム会社 の特徴ですが、建物全般のリフォーム工事をメインで行っている業者が多いようです。 担当となる窓口も、建物全般には詳しい事が多いですが、塗装に関して精通しているかといえばそうではない場合が多いようです。 |
D 地元塗装工事店 (主に法人経営してある塗装工事会社)D 地元塗装工事店の特徴は、今までの A ハウスメーカー・B TVCMで良く見かける塗替え業者・C 街中にある地元工務店、又は、リフォーム会社 にはなかった特徴で、実際に工事を行う 「直接施工」 であるということです。 工事後のアフターフォローに関しましては、各業者で様々のようです。 |
E 個人塗装業者(1~2人で工事を請け負っておられる職人さんなど)E 個人塗装業者の特徴も D 地元塗装工事店 と同様になりますが、実際に工事を行う 「直接施工」 になります。 また、本当に良い技術をもっている職人は、会社組織にせず E 個人塗装業者 という形で経営されている場合が多いですので、そのような業者に巡りあった場合は、費用が安く・工事品質も良い工事が出来る場合があります。 |
実際の塗装工事の実情
ここからは私自身の経験も踏まえ、工事が行われる際のその内状についてお話したいと思います。
どの業界も同じような事が言えることとは思いますが、実際に工事に掛かっている費用が、どの程度になっており、どの程度の工事が行われているかということを、皆様方にお伝えできれば、本当の意味で塗替え工事を検討する際に参考になるかと思いましたので、今回こちらにて書かせて頂きます。
※すべての場合に当てはまるとは限りませんのでご了承下さい。
まず、簡単ではありますが私の経歴からお伝え致します。
独立当初、社員は私のみという形で始めましたのがきっかけとなります。
上記の説明内でありました、E 個人塗装業者 というからスタートになります。
個人塗装業者の時には元請工事はほぼありませんでしたので、基本的に下請工事(一次下請け)もしくは孫請工事(二・三次下請)というものをやっておりました。
下請工事は主に、B TVCMで良く見かける塗替え業者 ・ C 街中にある地元工務店、又は、リフォーム会社の仕事になります。
施主となるお客様と実際の工事を行う業者の間に、一つの業者(元請業者)が入っているような形態になります。
孫請工事というのは、地元の塗装工事店の下で工事を請け負って行う工事になります。
施主となるお客様と実際の工事を行う業者の間に、二つ以上の業者(元請業者・中間業者)が入っているような形態になります。
このような形で数年工事を行い、その後、法人格を取得、有限会社という形で D 地元塗装工事店 に変更。
ハウスメーカーや大手ゼネコンの仕事も請け負うことが出来るようになりました。
また、その時期から個人のお客様kらの直接工事の依頼を頂くようになり、元請業者として塗装工事に関わることが増えていっております。
A ハ ウスメーカーや大手ゼネコン の場合は、下請工事という形で工事に関わることになりますので、通常お客様が契約した金額から、元請業者の営業利益+営業経費が引かれました金額が、工事を行う業者にわたります。
大体ではありますが、契約金額から30~40%ほど引かれた金額が実際に行われる工事費用ということになりまして、例えば120万円で契約された場合は、それから引かれて大体70~85万円ほどが工事にかけられる費用ということになります。
また、ハ ウスメーカーや大手ゼネコンの場合は、各業種に分けて分離発注を行いますので、塗装の下請業者として工事を行う場合は、塗装工事のみ請負となりまして、先ほどの70~85万円から、架設費用・シーリング費用・その他の工事がある場合は、それらの費用など差し引かれまして、塗装工事のみで40~50万程度が実際の工事にかけられる費用ということになります。
また近年はハウスメーカーの工事は、下請けにほぼ必ず塗料メーカーが入る形が主流になっているようでして、弊社のような工事店はその下でしか請負う事ができなくなっているようです。
このようにメーカーの下請を行うような場合、塗料は支給、もしくは指定塗料店から購入(請負金額から差し引き)という形が多いようでして、支給の場合は先ほどの40~50万円から塗料費用が差し引かれまして、塗装の手間のみ請負ということで20~30万円が工事金額といった事が多いように思います。
次に B CM等で宣伝してあるような塗装業者 の場合、契約金額は各業作で違いがありますので一概に判りませんが、大体ハウスメーカーと同じ、もしくはそれ以下の金額で請け負う事が多かったように思います。
このような会社の場合は通常とは違い 建坪×○○○○○円 という計算方式が多かったようです。
また、このような業者の場合は塗料自体が自社開発となっている為、一般的な塗料店には取り扱いが無い場合が多く、元請けとなる業者から直接塗料を購入しないといけません。
一般的な塗料と比べた場合、これらの自社製品の塗料は比較的高額なものが多いため、塗料費用もそれなりにかかってしまうケースが多かったように思います。
塗料費用は請負金額から差し引きという形になるケースが多く、差し引き後の残った金額が実際の塗装施工費という事になります。
C 地 元のリフォーム会社 の場合も基本的な考え方はハウスメーカーと同様になりますが、ネームバリューがハウスメーカーほどない場合が多いですので、それに比例して契約金額もやや低い傾向にあります。
例えば、ハウスメーカーが120万円でリフォーム業者が110万円の場合、
「10万円の差だったら建ててもらった会社に頼んだ方が今後の事を考えた場合に安心できる。」
とお客様が判断された場合、契約を取るためには価格で勝負するしかない為、値引きをする以外方法がありません。
仮にこの金額からあと5~15万円ほど値引きをして、何とか契約を取ったとします。
そのような場合、当然のことながら当初のリフォーム業者の利益は減ってしまいますので、規定の利益を確保したい場合は、発注先の塗装費を下げる事となってしまいます。
このような事例はすべての場合においにあてはまることではありませんが、以上のような理由を一例としまして、当初の予定金額よりも低い金額で請け負う事が多かったように思います。
この元請業者三社(ハウスメーカー・CM等で宣伝してあるような塗装業者・地 元のリフォーム会社)の事例からある程度共通する内容をまとめますと、
実際の塗装工事費は建物の大きさ・内容にも依りますが、大体足場も含んで60万円~位で工事が行われています。
当然ではありますが、お客様が実際に支払う金額よりも安い金額で工事が行われている事となります。
直接施工する業者に頼むメリット、また、手抜き工事になる原因
上 記で述べました通り、当然工事費を安く抑えられる事が最大のメリットになることはお分かり頂けたと思います。
とすれば、「直接施工」の業者に工事を依頼した場合、60万円位~からで工事が出来るのか という事になりますが、確かに工事を行う事は出来るのですが、この位の金額での工事は内容が限られてしまう場合が多くなってしまっている事が多いのが実情になります。
塗替えを行う上で60万円位~という金額は、ハッキリ申しまして十分に予算があるとは言い切れない金額になりまして、この金額内で施工業者の一定の利益を得ようとしますと、塗料のグレードが低い・十分な下地の処理が出来ない・塗装工法が良くない等のさまざまな制約が課せられてしまいます。
分かりやすく一言で言えば、工事を行うことが できる か できないか で言えばできます。
現状の劣化に対する適した工事が十分に 行える か 行えない で言えば、ほとんどの場合が行えない。
ということになるのではないかと思います。
具体的にどのような工事ができるかと言いますと、良くもなく悪くもない程度の塗料で、表面を綺麗になったように見せる程度の工事しかできない場合が多いのではないかと思います。
本来下地の状況において劣化の症状に合わせた適した処置を行うことが最も重要なことになるのですが、残念なことにこの下地に関して行う処置は最終的に表面上にはあらわれることがありません。
従いまして、どれだけ手間暇を掛けて十分な内容の処置を行ったとしても、全く行わずに塗装だけを行った仕上りと見比べた場合、仕上がった当初の状態は、この業界に関わっている業者で、しかも塗装に関しての熟練した技術を持っていない限り、見比べて違いを見出すことは不可能となってしまいます。。
手間をかけても表立ってわからないとすれば、限られた予算の中で工事を行おうとすれば、その部分の作業を必然的に省きがちになってしまうことは、ある意味仕方のないことのかもしれません。
仕事を請け負う業者は仕事として行いますので、当然ながらわざわざ赤字になるような事は行いません。
まず利益を残す事を第一に考えますので、一定額の利益を確保してその残りの金額で工事を行うことを考えます。
その際に、その残っている金額で十分工事が出来る場合は大丈夫なのですが、予算がない場合でも何とか利益が残るように工事を行うため、十分な工事が出来ないまま工事だけを終らせてしまうケースもあります。
このような事が、 工事を行うことは出来る が、 十分な工事内容は行えない といった事になってしまうのです。
ただし、このような事がすべてのケースに当てはまるかといえば、当然ながらそうならないケースもあります。
そうならないケースとは、実際工事をしている職人さん達の考え方次第になります。
担当している職人さんが、真の職人のプライドを持ち合わせた人達でしたら、、利益よりも仕事の内容にこだわる為、安くても自分が納得出来る仕事をする傾向があります。
逆に利益を追求するような経営者タイプの職人さんでしたら、早く仕上げてしまって工事を終わらせる傾向があるようです。
前者の様な職人さんと後者の様な職人さんでは、同じ金額で同じ工事を請け負ったとしましても、出来上がりの仕上りは当然ながら変わってしまうこととなります。
仕上りが違うと言う事は、きちんとした内容の工事が出来ていないと言うことになりますので、このような事が一般的に 手抜き工事 と呼ばれる工事になります。
手抜き工事にならないようにするには
先 にお話しました手抜き工事になるような状態は、予算が少ない場合になりやすいように思います。
ということは、きちんと見合った予算があれば手抜き工事になる可能性は少なくなるのではないでしょうか。
そしてここで、本来の「直接施工」の業者に頼む最大のメリットが生かされてきます。
例としまして、リフォーム業者に工事を依頼した場合でお話しして行きたいと思います。
契約金額が90万円の場合、
塗装業者が請け負う金額は60万円程度になります。
この場合、差額は30万円は、リフォーム会社の営業経費であり、直接塗装には反映されません。
これを「直接施工」業者に工事を依頼する場合、先に話しました60万円の工事金額では十分な工事が出来ない可能性があるような場合は、十分な工事が出来ない可能性を残したまま工事を行うよりも、実際の工事を請け負う業者ときちんと入念な打合せを行ったのち、きちんとした工事を行う事ができる金額で依頼した場合のほうが、遥かに内容が伴った工事が出来るのではないかと思います。
仮に打合せ時に決まった金額が、80万円だったとします。
当初90万円の金額が、80万円になりましたので、金額の差は10万円になってしまいましたが、直接頼む事によって費用の全額が塗装工事の費用に当てられます。
もし10万円の差でしたら、リフォーム業者の方が会社の規模が大きいので安心だからという考えのもと、リフォーム業者にそのまま工事を依頼するという考えもあるかもしれません。
この場合表面上では、90万円と80万円との違いに見えますが、実際は同じ内容でリフォーム業者に頼んだ場合では、その時の工事内容を考えますと90万円ではなく110万円ということになってしまいます。
「直接施工」業者に依頼した場合、見積内容が現状の劣化の症状に合わせた内容で構成されているための費用が計上されていると考えるならば、その費用に下地の補修工程からの内容も含まれるため、当初の表面上綺麗にするためだけの内容とは変わってしまっているため、普通の塗替え工事とは違うものになっています。
同様の内容でリフォーム業者に依頼した場合、リフォーム会社の経費を考慮すれば、当初の見積り金額よりもさらに高くなってしまうことは必然です。
つまり、直接施工の業者に頼む場合の方が、安い費用で十分なメリットが得られる事が多いということです。
同様の考え方で考えた場合、仮に100万円の予算で塗替え工事をお考えの場合には、同じ100万円でも工事を依頼する先で内容が全く変るということはお分かりになるかと思います。
「直接施工」の業者に工事を依頼するメリットは、ハウスメーカーやリフォーム業者と同等の内容で工事を行う際には、当然工事にかかる費用を安くする事が出来ますし、予算はそのままで「直接施工」の業者に工事を依頼する場合は、工事の内容が格段に上げることができるということになります。
100万円の契約金額の工事は
A 新築時建てたハウスメーカーのメンテナンス部門・C 街中にある地元工務店、又は、リフォーム会社 に頼んだ場合は、実際の工事内容に対する金額は60~70万円程になります。
B TVCMで良く見かける塗替え業者 の場合でしたらはっきりした事はわかりかねますが、上記以下になりやすいです。
D 地元塗装工事店・E 個人塗装業者 に頼んだ場合直接施工になりますので、実際の工事内容に対する金額は100万円のままになります。
要注意の営業内容
営業方法は、CMであったり、訪問での営業であったり、チラシであったり、電話であったりと様々です。
入口はさまざまですが、最終的に契約時には直接その業者と会って話す事となります。
その際に共通して言える事になりますが、契約時に大幅な値引きを提示してくる業者は要注意です。
20~30万円などや、ひどい時には50万円程の値引きをしてくる業者もいますので驚くばかりです。
高額値引きの業者は、必ず見積りの時点で高額に設定しています。
例を上げてみますと、
「最終的にこれだけ値引きしますので工事をしませんか?」
段階的に値引きを行い大幅値引きという印象を与え、お得感を出して契約を迫ってきます。
しかし、改めて考えると、
「それだけの値引きが出来る見積りは一体何なのですか?」
ということになってしまいます。
「本当は180万円かかるのですが、今回はキャンペーンなので50万値引きして130万円で良いですよ!」
キャンペーン(又はモニター)という期間限定 でお得感を出して契約を迫ってきます。
これも、
「それだけの値引きが出来る見積りは一体何なのですか?」
ということになってしまいます。
そもそも、見積りの金額というものはほぼすべてにおいて、何故その金額なのかという根拠が必ずあります。
逆に金額の根拠がなかったら、見積り金額が出せません。
このような金額の根拠は、通常財団法人で定められているか、そうでない場合は塗料メーカーが定められておりますし、官公庁の公共工事などはすべてこの根拠に基づいて金額が決まります。
従いまして、見積り金額の値引きが大きい場合は、何故それだけ引く事が出来るのかを確認したほうが賢明です。
次に値引きを表面上には出していないが、今だとお得という形の営業事例になります。
「今近くで工事を行なっています。足場を組んでいますので、それを持ってくるだけですので足場費用はサービスします。」
足場の費用が掛からないという理由からの期間限定のお得感を装ったパターンになります。
そもそも、足場というのはレンタルではありません。
通常、仮設業者の持ち物になります。(高層マンションに使用する門型足場(ビテイ足場)は一定期間でのレンタルの場合があります。)
また仮設業者は足場を貸し出して売上を上げているレンタル業者ではありません。
足場を組立や解体を行なって売り上げを上げています。
従いまして、近くの現場の足場を持ってきても足場は組立や解体する事に費用がかかりますので、その費用を実際サービスすることなどまず不可能ではないかと思います。
そのような事実と全く違うことを話して、さもお得感を出して契約に繋げるという、営業手法の一つになります。
「今ならサービス」
という宣伝文句の裏には、他の見積り箇所に足場代を上乗せしている可能性があるのではないかとも思えてきます。
このように大幅な値引きやお得感で契約を煽ったりするような業者は、注意した方が良いのではないかと思われます。
このページのまとめ
塗替えをする際にはその目的をはっきりさせる事により、依頼する業者を選んだほうが失敗が少ないと思われます。
・一括して今後も建物のメンテナンスを頼むのか
・金額を抑える事が前提なのか
・予算の範囲で現状に合わせたベストな施工を望むのか
・室中外同時にリフォームの予定なのか
このように、目的に合わせて依頼する業者を選んだほうが良いのではないかと思います。
1.目的をはっきりさせることにより、依頼する業者を選ぶ。
2.手抜き工事を防止するためには、実際施工する業者に十分な予算が与えられている状況を作り出すという必要がある。
3.大幅値引きや○○○をサービスといった内容には、一度見積り全体にわたって目を通し直して不明な点やおかしな点がないかを再度確認。
この3点が工事を依頼する際には基本的に大事なポイントになるのではないかと思います。