福岡市早良区 M様邸 PC(プレキャストコンクリート)・屋上防水 塗装工事
施工後の不具合発生について 改質アスファルト防水「マッドカーリング」
今回の事例は施工後1ヶ月程度で防水層に発生した症状となります。
1 経緯
工事後ちょうど1ヶ月が過ぎようとしていたある日、お客様より1通のメールが届きました。
内容はケーブルテレビの工事を行った際に、設置業者が防水層の以上を発見したとのこと。
お客様ご自身も確認を行ったのですが、どうもおかしいように見えるので、一度確認に来て欲しいという内容でした。
まさか、1ヶ月程度で以上が発生するとは思ってもいませんでしたので、非常に気になり、翌日確認に行くことにしたのですが、
状況を確認してみますと・・・
僅かな期間ででこのような症状が発生しているのを見まして、
・・・・(絶句)
さすがにわずかな期間でこのような症状が起きることはかなり問題だと思い、すぐさま材料販売店と材料メーカーを呼びまして、現状確認と症状発生の原因を聞くため段取りをとります。
~~~~~数日後~~~~~
私・材料販売店・材料メーカーの担当者・本社から来た技術担当者と、再度お客様宅に伺います。
状況を見ること30分。
とりあえずお客様に説明するために症状発生の原因を聞くと、防水材メーカーから帰ってきた答えは「花粉」との事・・・
どうやら、「花粉」+「水」の条件に「乾燥」が加わると、このような症状が稀に発生するらしい症状ということでした。
さすがに、「花粉」で起きる症状だとはお客様に伝えづらく、私としても非常に困ったのですが、とにかく報告するにあたって正式な書類の発行をこの日は依頼することに・・・
2 原因
数日後、私の手元に届いた材料メーカーとアスファルトルーフィング工業会の見解書は、以下のようなものでした。(PDF/ワードファイルから必要事項のみ切り抜いて画像として掲載)
「アスファルトルーフィング工業会」
「材料メーカー」
まとめますと、原因は不陸部に花粉などの堆積物が溜まることに事により、収縮、乾燥を繰り返す内に、表面を引っ張り剥離を引き起こすという内容で、改善策としては、水が溜まらないように下地を調整後、再度ルーフィングを貼り直すという方法で施工を行う、というものでした。
要するに、メーカーの言い分は施工(不陸調整)の問題という見解。
しかし、私の言い分としては「花粉」程度でこのような症状が引き起こされるのであれば、材料の品質の問題。
このような見解の相違があり、その後、少々話し合う事に・・・
たしかに、原因と言われる不陸調整は100%万全とは言い切れることはできませんが、数回に分けて不陸調整→確認→不陸調整→確認と行なっておりましたので、通常では問題ない状態まで仕上げているつもりではありましたが、僅かでも不陸があり、その部分に「花粉」などが堆積してしまうと今回のような症状が引き起こされると言われますと、施工側としては非常に困ってしまいます。
1回目の不陸調整(テキストをクリックしますと工事日誌に移ります。)
2回目の不陸調整
メーカーの言っている意味もわからなくはないのですが、実際の建物では勾配の状態や下地の状態によっては、100%完璧な下地の状態を作ることは非常に困難な事になりますので、せめて、僅かな不備程度には材料の品質で対応が出来るとありがたいのですが、と・・・
このような会話がその後しばらく続くことに・・・